狂気という隣人―精神科医の現場報告 岩波明 2004年

狂気という隣人―精神科医の現場報告 岩波明 2004年

人口の約1%が統合失調症という事実。しかし、それが我々に実感されることがないのはなぜか。殺人、傷害にかかわりながら、警察から逮捕もろくな保護もされず、病院さえたらい回しにされる触法精神障害者。治癒して退院したはずなのに、再び病院へ戻ってくる精神病患者。疲弊する医療関係者。社会の目から遮蔽されてきた精神医療の世界を現役の医師がその問題点とともに報告する。

岩波明
神奈川県横浜市生まれ。神奈川県立湘南高等学校、東京大学医学部卒業。1993年「覚醒剤精神病の事象関連電位」で東大医学博士。東京都立松沢病院などで臨床経験を積む。ドイツ、ユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルク精神科で学ぶ。東京大学医学部精神医学教室助教授、埼玉医科大学精神医学教室准教授、昭和大学医学部精神医学教室准教授、2012年から主任教授。2015年より付属烏山病院長を兼務。ADHD外来を担当している。

従来の事件における被告人に対する刑事責任能力(心神耗弱・喪失)の鑑定について、十分な検証がないまま発達障害(ASD、ADHD)の認定が採用されてきたことに、警鐘を鳴らしている。

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